この記事をソーシャルブックマークに追加する
この記事をはてなブックマークに登録する この記事を Yahoo!ブックマークに登録する この記事を del.icio.us に追加する この記事を livedoor クリップに追加する Buzzurl newsing it!

脱法ドラッグによる交通事故が増加、対策急務に


麻薬や覚醒剤等の規制薬物の化学構造に似せて作られた、いわゆる「脱法ドラッグ」。法の隙間をついて市中に出回っているが、この脱法ドラッグによる意識障害が原因で重大な交通事故を引き起こす事例が相次いでいる。

先月24日、東京都豊島区のJR池袋駅西口付近の路上で、脱法ドラッグを使用した30歳代の男性が意識が朦朧としたまま自動車を運転、歩道に乗り上げて7人の歩行者をはねた。女性1人が死亡し、男女3人が重傷を負う事故となった。そのおよそ10日後には、今度は隣の北区で同様に脱法ドラッグが原因の交通事故が発生。衝突されたバイクの男性とタクシー運転手の2人がケガをしている。

このような脱法ドラッグによる意識障害が原因とみられる交通事故は近年急増している。警察庁の発表によると、脱法ドラッグが原因とみられる交通事故で検挙された事件数は、一昨年の平成24年に19件、昨年の平成25年には38件と倍増。検挙人数も一昨年の19人から昨年は40人に増えた。今年5月に施行された自動車運転死傷行為処罰法では、このような脱法ドラッグによる意識障害が起因の交通事故を厳罰化の対象とし、人身事故については危険運転致傷罪で訴追される。

脱法ドラッグによる重大な交通事故を防ぐには、厳罰化はもとより、元となる脱法ドラッグを街から閉め出す仕組みが必要だ。

薬物の規制対策については、これまで薬事法で個別に薬物を指定して規制する方式がとられてきたが、昨年、厚生労働省は、基本構造が似た物質をまとめて規制する包括指定制度を導入。昨年の制度導入からすでに1300種以上の指定がなされた。また、今年4月には薬事法を改正し、これまでの製造・販売に加えて、購入者を対象とした所持・使用に対しても罰則を適用するようにした。

しかし、次から次へと新しい薬物が出てきて、いたちごっこともいうべき状況なのが実情だ。押収した薬物の鑑定には時間がかかり、鑑定結果が規制対象外である事例も少なくないという。実際、池袋の事件で押収された脱法ドラッグで検出された薬物も、規制対象外のものであったことが明らかになっている。

そこで政府は、脱法ドラッグの取締りを強化するとともに、薬物規制のあり方の見直しも検討。規制薬物への指定の迅速化や、あわせて「脱法ドラッグ」の名称をより危険性を感じさせるものへと変更するための新しい名称を募集するなど、対策を強化している。

(2014年7月 9日 編集部 徳永智)

Copyright (C) 2014 JAFMATE Co. Ltd. All rights reserved.