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衝突時にボンネットが膨らんで衝撃を緩和 日産が「ポップアップエンジンフード」を開発


日産が、歩行者と衝突したときに衝撃を緩和する「ポップアップエンジンフード」を新開発した。

財団法人交通事故分析センターの調べによると、歩行者が死傷する事故は全体の7%に過ぎないのに、歩行者の死亡は交通事故での死者全体の28%にも達する(平成13年度報告)。交通事故に遭ったときに歩行者が死亡する比率が高いのは、生身の歩行者が鋼鉄のかたまりであるクルマに衝突したときに受けるダメージが強いことが大きな要因と考えられる。そこで、歩行者が受けるダメージを減らせば死亡事故も減らせるのではないか?という考えから生まれたのが、国の自動車アセスメント(JNCAP)においてもテスト項目として採用されている「歩行者頭部保護性能」という考え方だ。

クルマが歩行者に衝突した時に、歩行者は足をすくわれるようにして車のボンネットに頭部を含む上体を強打する。その時、ボンネットがやわらかく、衝撃吸収材となれば、歩行者が受けるダメージは小さくなる。最近のクルマ作りでは、このような生身の人間に優しい構造が求められるようになっている。

ところがこれには大きな課題が生じる。人に優しい“柔らかいクルマ”は、クルマどうしの事故時に乗員の安全性を守る“硬いクルマ”と相反する面が大きいからだ。そこでこれまで各社では、ボンネットの材質や形状を工夫したり、サスペンションなどの固い部材のレイアウトや、ワイパーなどのとがった部分がむき出しにならない工夫といった面で対応してきた。


ポップアップエンジンフードの衝突実験時の様子。歩行者役のダミーがバンパーに接触してすぐにボンネットが膨らみ始め(写真1、2)、
頭部が接触するころには、ボンネットとエンジン部との空間が広くとられている(写真3、4)。
(写真=日産自動車株式会社)

今回、日産が開発した「ポップアップエンジンフード」は、これら従来の対策から一歩進んだものだ。衝突の瞬間にボンネットの後端を持ち上げることによって、ボンネットとエンジン部との空間を広く保ち、歩行者への衝撃を緩和する。具体的には、バンパーに内蔵されたセンサーが歩行者との衝突を検知すると、コントロールユニットがボンネットを跳ね上げる必要を判断し、必要と認められた場合には、火薬式の作動装置でボンネットの後端を持ち上げる。

ボンネット高が低く、エンジン部との空間を保つことが難しいスポーツタイプのクルマには特に有用な仕組みと考えられる。従来の受け身の対策から積極的に衝撃を緩和する「ポップアップエンジンフード」。日産では、今秋発売予定のスカイラインクーぺより搭載を開始する予定だ。

(2007年8月16日 eJAFMATE編集部 徳永智)

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