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2020年の東京五輪で自動運転を実現へ…政府主導の開発プロジェクトがスタート


政府が主導する「戦略的イノベーション創造プログラム」(SIP)がスタートした。SIPは、今後の国際社会で日本がリードすべき科学技術の分野において、オールジャパンの体制で革新的な技術開発や新サービスの創出を目標とするもの。今年度は500億円の予算が組まれ、10の分野でのプロジェクトが組まれた。このうち、自動走行(自動運転)システムの開発・推進については、トヨタ自動車顧問の渡邉浩之氏を責任者として、今年度24.5億円の予算で研究開発をスタートさせる。

自動走行システムについては、人が介在することなく、コンピュータが交通環境を認識し、自律的に安全・適切な走行方法を判断して車両を動かす方式、端的に言えば、“乗っていれば、いつの間にか目的地に着いている”状態を最終目標として、世界各国で実用化に向けた開発が急ピッチで進められている。SIPでも、完全自動走行を最終目標としつつ、自動化のレベルを段階化し、実用化を進めていく方式とした。

具体的には、加速・操舵・制動のいずれかを自動車が行う状態をレベル1(安全運転支援システム)とし、次いで、これらの複数の操作を同時に自動車が行う状態をレベル2(準自動走行システム)、さらに複数の操作を全て自動車が行い、緊急時のみドライバーが対応する状態をレベル3(同)、最後に、有人・無人を問わず全くドライバーが運転に関与しない状態をレベル4(完全自動走行システム)と定義。それらに到達するまでの時間的目標を定めた。

新車に安全運転支援システムが普及している現在はレベル1の状態にあり、レベル2については、一部で実車テストもスタートしている信号や渋滞等のインフラ情報を活用した準自動走行システムを2017年までに市場化するとした。さらに、レベル3については市場化の目途を2020年代前半としつつ、その先駆けとして、2020年の五輪開催にあわせて東京で先行してお披露目することとした。現在、米グーグルなどが開発しているロボットカーは2020年の市販を目指しているが、同等かそれ以上の性能を有するレベル3のシステム実用化を同じ2020年に合わせたことで、自動車技術大国としての日本の真価が問われることになる。

自動運転の実用化には、車両開発だけでなく、インフラとの協調やデータ連携、3D化地図データ、運転モデルの構築、セキュリティ対策など、多種多様な克服すべき課題があるが、純粋な技術面で見た場合、米グーグルなどの先行事例でも課題となっているのが、あらゆる天候下での自動運転の実現だ。地形や障害物の認識に利用されるレーザーレーダーは雨天や濃霧で性能が低下するし、降雪時には画像認識による車線の検出ができなくなる。このような問題を解決できるセンシング技術の開発は、SIPにおいても重要課題として位置づけられており、経済産業省はいち早く開発企業の公募を今月から開始している。

(2014年7月10日 編集部 徳永智)

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