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国交省 ITSスポットを使ったキャッシュレス決済システムの実験を開始



国土交通省と、その研究機関である国土技術政策総合研究所は、ITSスポット(道路に設置される通信アンテナ)を利用した、駐車場におけるキャッシュレス決済の動作実験を日比谷駐車場で実施した。

昨年11月からスタートしているこの研究には、民間企業も参画。料金精算機をアマノ、売上管理機器を沖電気工業と東芝、ITSスポット対応カーナビをJVC・ケンウッド・HDとパイオニアがそれぞれ手がける。今回の実験では、それら機器の実際の動作が確認された。


入場ゲートが自動で開放。写真の○がITSスポット。

実用化にあたっては、あらゆる車載器で同様のシステムが
使えなくてはならず、その調整もこの研究の難所のひとつだという。

駐車場の入場ゲート上部にITSスポットが取り付けられており、そこに実験車両が進入。すると、窓を開けて駐車券を取ることなく、ゲートが開放した。ナビ画面には、駐車場の名称や入場時刻などが表示され「いらっしゃいませ、日比谷駐車場です」との音声案内も流れた。

実験車両は駐車場を一周して出口へ。注目の精算に移る。車載器にはクレジットカードがセットされており、出口ゲート前で停車するとナビ画面にクレジットカード使用許可の確認と利用料金、そして「YES」「NO」のボタンが表示される。「YES」をタッチすると、カード会社との通信、決済処理が開始される。今回は処理が完了し、ゲートが開くまでに十数秒程度要したが、今後の開発で時間短縮は可能との見通し。

このシステムは、高速道路の料金収受システムとして普及しているETCと同じ5.8GHzの周波数帯で複数チャンネルを持つDSRCという通信技術を用いており、路車間通信技術を使ったITS、いわゆる「スマートウェイ」の延長線上で開発されているもの。同じ課金決済でもETCの処理速度と比べると同システムは処理速度の点で見劣りしてしまうかもしれない。しかしETCの場合は、極めて限定的なシーンで、特定のカードを使用することにより、大幅な処理の簡略化が可能となっているのに対し、このシステムでは、あらゆるシーンで、汎用的なクレジットカードを使った決済ができることを目的としている。このため、将来的には、駐車場のほかにも飲食店のドライブスルーなど、幅広い活用シーンが考えられるという。

実際のサービスとして普及するには、サービス提供側に設備を設けるだけでなく、ユーザー側でもいわゆる“ITS車載器”が搭載されている必要がある。DSRCをめぐっては、高速道路無料化によってETC自体のゆくえが不透明で、新たなインフラ整備が不要なLTEといった次世代高速携帯通信網も運用が開始されるなど、取り巻く環境は厳しさを増している。普及を図るには、技術面での進化だけではなく、ユーザーにとって魅力を感じられるサービスや利用範囲の展開が不可欠だ。

(2010年12月 6日 eJAFMATE編集部 若松哲史)

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