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タクシーの「2.0」ってなに!? 米NYの次世代システム構築とは?


米ニューヨーク市が、タクシーの次世代システム構築に向けて動き出した。4月13日、NY市の公共交通委員会は、“TAXI TECHNOLOGY 2.0”と称する取り組みを発表した。インターネットの世界で次世代を意味する「2.0」を冠したこの取り組み。NY市名物のイエローキャブはどう変わるのだろうか?

NY市では、2004年3月から、市内で営業する全てのタクシーにGPS(走行軌跡の取得)やメッセージ機能のあるドライバーモニター、カード決済端末、支払情報やライブ地図などを表示できる乗客用モニターの設置を義務づけている。2007年にはこれら義務化に反対するストライキが起きたものの、昨年12月には全車への装備が完了した。いわばインフラの整備がととのったわけで、今度は各タクシーをネットワーク化してどのようなサービスを提供できるか、という段階に入った。

例示された案では、ドライバーの利便性を向上するものとして、カーナビや渋滞予測などの情報提供、カード決済手数料の低減、乗客の利便性を向上するものとしては、無線LANやiPod接続、ゲームや音楽の提供などが挙げられている。いずれもタクシーに積まれたデバイスでのサービス拡充や増設を想定しているようだ。

NY市では、具体的なシステム設計に向けたパブリックコメントを6月まで募集、寄せられた意見をもとにシステム構築を開始するとしており、上記で挙げた案もあくまでも例示的なもの。とはいえ、そもそもインターネットの世界で言われ始めた「2.0」とは、それぞれの情報が分散されたママの状態で有機的に繋がるという、もっとスケールの大きな話だ。だから「2.0」を謳っておいて、その中身が「iPod接続」(確かにあれば嬉しいものだが)というのは、ガッカリとしか言いようがない。

真の意味での“タクシー2.0”とはなんだろうか?配車で言えば、各タクシーと乗客がネットワーク化されることで、司令塔(配車係)を介在させる必要なく配車が可能になりそうだ。もしかしたら、客の側も情報を登録することで、相乗りなどのサービスへ発展する余地もありそうだ。しかし、もっともシンプルで、もっともインパクトがあるのは、口コミ情報をデータベース化(可視化)してしまうことだろう。

具体的なイメージとしてはこうだ。オンラインマップ上に各タクシーの位置情報が表示されるとともに、そのタクシーに対する評判が口コミ情報として表示される。すると、評判の良いタクシーには配車依頼が増え、固定客がつき、チップも増えるだろう。業界全体の競争が促され、サービス水準の向上が期待できる。名物タクシーの運転手にCMが殺到するなんてこともあるかもしれない。これこそ実力主義、個人主義のアメリカならではのサービスではなかろうか。

今のところ“TAXI TECHNOLOGY 2.0”が掲げているのは「2.0」には遠いが、そもそも行政がそういった仕組みを提供すること自体が“2.0的”ではないのかもしれない。ただ、ネットワークがあるところ、草の根的にサービスは芽生えるから、今の段階では何も方向性が見えていなくとも、今回の取り組みが将来的に本当の“タクシー2.0”を生むきっかけとなることは大いにあり得る。6月までのパブリックコメントでどんな案が寄せられ、どんなシステム構築へ動き出すのか、ちょっと楽しみだ。

(2009年4月24日 eJAFMATE編集部 徳永智)

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