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トヨタがリチウムイオンより高性能な電池の開発に着手! 次世代エコカー戦略を発表


6月11日に東京で開かれた「トヨタ環境フォーラム」において、トヨタが今後のエコカー戦略を発表した。ここのところ、国内各メーカーからはEV戦略の発表が相次いでいる。これはガソリン価格の高騰から、格安の電気代で走れるEVに注目が集まってきたことが大きいが、ハイブリッド車で独走状態の同社は、いきなりEVではなく、まずプラグインハイブリッド車という路線を堅持してきた(もちろん、FCやクリーンディーゼルの路線も残してはいるが)。今回も、ハイブリッド技術が同社のエコにおけるコア技術であるとの確認はあったものの、小型EVの量産にふれるなど、若干の修正を思わせる動きもあった。


現在、公道試験が行われているプリウスのプラグインハイブリッド車
(写真=トヨタ自動車)

もうひとつ注目されるのは、リチウムイオン電池の先をいくより高性能な電池の自社開発に着手したこと。現行のリチウムイオン電池は、従来の鉛電池、ニッケル水素電池に比べれば大容量ではあるものの、特にサイズの大きな乗用車で現行のガソリン車なみの性能を実現するには、まだ役不足の感があった。また、現行のリチウムイオン電池は、電解質に可燃性の液状有機溶媒を使用していることから、発火や爆発のリスクは従来電池よりも高く、安全設計と管理に大きなコストがかかる。同社がリチウムイオン電池採用のプラグインハイブリッド車を、とりあえずフリートユースから発売するのも、このリスク管理を徹底するため。このため本格的なEV普及を目指すには、リチウムイオンの先をいく電池が必要と判断し、ハイブリッド技術のときと同様、先行開発に着手したと考えられる。ちなみに新しく設立される電池研究部は将来的に100人規模となるといわれ、これだけの規模で電池開発を行うのは、世界の自動車メーカーの中でもおそらく始めてである。

同社が、電池開発に注力するのには、将来の経営的な側面もある。もし、将来的にEVが普及すれば、自動車から得られる収益の中心は電池になる可能性が高い。現在、多くの自動車メーカーがEVを開発しているが、使われる電池の多くは他社からの購入品。同社はこの点も考慮し、自社開発にこだわったのだろう。実際、現在プリウスで使われているニッケル水素電池も、パナソニックとの協働ではあるが、自社生産に近い形である。また、このように電池に力を入れる姿勢を見せたということは、トヨタも自動車EV化の流れに本格的に舵をきったともいえる。

電池研究部で開発を進めるのは、「全固体型電池」や「空気金属電池」といわれているが、全個体型電池とは、現行リチウムイオン電池の有機電解液(燃える可能性がある)を固体化し、安全性を高めた新世代のリチウムイオン電池。世界的にも開発は進んでいるといわれるもので、同社もまずこちらの実用化を目指すと思われる。また高価なコバルトが使われることの多い正極についても、ニッケル系など、より安価に製造できる工夫がなされそうだ。空気金属電池は、亜鉛空気電池など一次電池としてはすでに実用化されているが、二次電池はまだ研究初期ともいえる段階の未来の電池。ただし、1kgあたりのエネルギー密度は最新のリチウムイオン電池の5倍以上といわれ、実用化すれば夢の電池となる。

(2008年6月17日 JAFMate編集部 鳥塚俊洋)

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